RISING SUN ROCK FESTIVAL(以下、RSR)は、日本初の本格的オールナイト野外ロックフェスティバルとして'99年に初めて開催されました。豊かな自然に囲まれた広大な敷地内で、存分にロックを、音楽を体感することができたら──そんな理想を掲げ、何もかも手探り状態のままでスタートしたRSRも、14回目を迎えます。
何もない石狩の広大な土地の草刈りをするところから、フェスティバルはスタート。電気を通し、水道を引き、資材を組んでステージを設営し作り上げていく会場は、1年365日のうち2日間だけ出現する街のようでもあります。ライヴ以外にも北海道ならではの味覚が味わえる飲食店や自然を満喫できるアトラクション、環境問題について学べるブースに至るまで、ステージ上で音が鳴っていない時間も楽しめる要素が満載。会場内にテントを張って一夜を明かせることも大きな特徴として挙げられますが、それ以外にも通常のコンサートやイベントなどと異なる点はいくつもあります。
RSRにはあらかじめ確保された座席もなければ、入場ゲートからステージまで誘導する案内スタッフも存在しません。会場内に点在する各ステージではほぼ同時進行でライヴが行われるので、混雑や移動時間も考えてどのステージをどういう順番で観るのかは自分次第。舗装されていない土の地面の通路を歩くには、どんな装備が最適なのか? さらに北海道では8月と言えども夜間は気温が下がり一気に冷え込むので防寒対策も必要となるし、急な降雨など天候の変化に対する備えも充分考慮しなければなりません。細かなルールや制約が設けられていない分だけ、個々が自分で考え、判断する場面も増えてきます。何事も人任せにしない、自分でできることは自分でやる。そんなスタンスこそが、RSRを楽しむための何より大切な要素と言っても決して過言ではないでしょう。もちろん最低限の「責任」を果たした後に待っているのは、日常を少しだけ逸脱した時間を過ごせるとびっきりの「自由」。参加者の数だけ楽しみ方も千差万別、2/365の「自由」を今年も存分に満喫してもらえればと思います。 今では、北海道内のみならず日本各地から多くの人が足を運んでくれるようになったRSR。規模の拡大に伴い生じる様々な問題と真摯に向き合っていくことも、もちろん忘れてはなりません。この先の20年30年にむかって可能性を信じ進んでいきます。